システムのVST化
下の損益曲線は、一本の移動平均線のみを使用した単純なシステムで、損切りと利食いの幅をある固定値に設定したものです。
運用方法 単利(1万通貨)
初期投資金額 1000000円
最終口座残高 1238860円
勝率 52.7%
PF 1.53
MIレシオ 8.57%
このシステムをVST化するとどうなるかというのが本日のテーマです。
VSTとは、私の造語で、Variable Stoploss & Takeprofit(=損切りと利食いの幅の自動可変)の略です。簡単に言えば、損切りと利食いの幅を固定値にせずに、そのときどきのボラティリティに合わせて、何らかの計算方法を用いて、自動的に変動させることによって、システムの耐久性をアップさせようという工夫です。
このVST化については、採用しているトレーダーがかなりいるようで、私自身のEAにも実装されているものが多いです。
ただし、計算方法は様々で、一般的に使われそうなツールとしては、
標準偏差
ATR
直近の(高値-安値)
あたりで、これらの数値に一定の定数を掛けたり、これらの数値を一定の定数で割ったりして、適正な(逆)指値幅を算出するわけです。
早速、標準偏差を利用して、上のシステムをVST化してみましょう。
運用方法 単利(1万通貨)
初期投資金額 1000000円
最終口座残高 1261940円
勝率 64.3%
PF 1.49
MIレシオ 4.38%
PFが少し下がってしまいましたが、その他は明らかに改善されています。とくに、MIレシオが半分近くにまで低下した点は、大きな改善です。
ところで、今回は、VST化によって、たまたまパフォーマンスが向上したわけですが、いつもこのようにうまくいくわけではありません。場合によっては、VST化したために、パフォーマンスが劣化することも当然あります。ただ、VST化の目的は、過去のパフォーマンスを上げることではなく、未来におけるパフォーマンスの耐久性をアップすることなので、たとえ、VST化によって過去のパフォーマンスが劣化したとしても、未来におけるパフォーマンスの耐久性がアップするという保証さえあれば、理論的にはVST化を採用した方がよいと言えそうです。
しかし、…
以下は、あくまでも自身の経験からそのように私が感じていることで、決して論理的な根拠はありません。
たとえば、A,B二つの売買ロジックがあり、それぞれ、VST化をしないシステムとVST化をしたシステムを作った場合、組み合わせは以下の4通りになり、それぞれのパフォーマンスの優劣が以下のようであったとします。
この場合、もともとのロジックは、ABともに同点ですが、VST化したことによって、Aはパフォーマンスが劣化し、Bはパフォーマンスが向上しています。
もう一度繰り返しますが、これはあくまでも私の経験から感じることに過ぎませんが、このような場合、なぜか、ロジックAはVST化の有無にかかわらず、賞味期限が短いようです。というより、フォワードテスト開始と同時に負け始めることが多いようです。それに対して、ロジックBはVST化の有無にかかわらず賞味期限が比較的長いことが多いようです。
つまり、VST化をしたためにパフォーマンスが劣化するようなロジックは使えず、逆に、VST化によってパフォーマンスが向上するようなロジックは使えることが多いということです。
くどいようですが、これはあくまでも私の経験に基づくもので、論理的な根拠はありませんし、私自身、ずっと以前から不思議に思っていることです。
次回は、このVST化を実際にメタトレーダーのEAでプログラムする方法について紹介します。非常に簡単ですので、市販のEAで損切値が固定値になっているものを利用している方でも、次回の記事を読めば、EAのどの部分を改造すればよいか理解できるかと思いますので、ぜひ、お楽しみにどうぞ。
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運用方法 単利(1万通貨)
初期投資金額 1000000円
最終口座残高 1238860円
勝率 52.7%
PF 1.53
MIレシオ 8.57%
このシステムをVST化するとどうなるかというのが本日のテーマです。
VSTとは、私の造語で、Variable Stoploss & Takeprofit(=損切りと利食いの幅の自動可変)の略です。簡単に言えば、損切りと利食いの幅を固定値にせずに、そのときどきのボラティリティに合わせて、何らかの計算方法を用いて、自動的に変動させることによって、システムの耐久性をアップさせようという工夫です。
このVST化については、採用しているトレーダーがかなりいるようで、私自身のEAにも実装されているものが多いです。
ただし、計算方法は様々で、一般的に使われそうなツールとしては、
標準偏差
ATR
直近の(高値-安値)
あたりで、これらの数値に一定の定数を掛けたり、これらの数値を一定の定数で割ったりして、適正な(逆)指値幅を算出するわけです。
早速、標準偏差を利用して、上のシステムをVST化してみましょう。
運用方法 単利(1万通貨)
初期投資金額 1000000円
最終口座残高 1261940円
勝率 64.3%
PF 1.49
MIレシオ 4.38%
PFが少し下がってしまいましたが、その他は明らかに改善されています。とくに、MIレシオが半分近くにまで低下した点は、大きな改善です。
ところで、今回は、VST化によって、たまたまパフォーマンスが向上したわけですが、いつもこのようにうまくいくわけではありません。場合によっては、VST化したために、パフォーマンスが劣化することも当然あります。ただ、VST化の目的は、過去のパフォーマンスを上げることではなく、未来におけるパフォーマンスの耐久性をアップすることなので、たとえ、VST化によって過去のパフォーマンスが劣化したとしても、未来におけるパフォーマンスの耐久性がアップするという保証さえあれば、理論的にはVST化を採用した方がよいと言えそうです。
しかし、…
以下は、あくまでも自身の経験からそのように私が感じていることで、決して論理的な根拠はありません。
たとえば、A,B二つの売買ロジックがあり、それぞれ、VST化をしないシステムとVST化をしたシステムを作った場合、組み合わせは以下の4通りになり、それぞれのパフォーマンスの優劣が以下のようであったとします。
1.売買ロジックA-VST化無し-70点
2.売買ロジックA-VST化有り-60点
3.売買ロジックB-VST化無し-70点
4.売買ロジックB-VST化有り-80点
この場合、もともとのロジックは、ABともに同点ですが、VST化したことによって、Aはパフォーマンスが劣化し、Bはパフォーマンスが向上しています。
もう一度繰り返しますが、これはあくまでも私の経験から感じることに過ぎませんが、このような場合、なぜか、ロジックAはVST化の有無にかかわらず、賞味期限が短いようです。というより、フォワードテスト開始と同時に負け始めることが多いようです。それに対して、ロジックBはVST化の有無にかかわらず賞味期限が比較的長いことが多いようです。
つまり、VST化をしたためにパフォーマンスが劣化するようなロジックは使えず、逆に、VST化によってパフォーマンスが向上するようなロジックは使えることが多いということです。
くどいようですが、これはあくまでも私の経験に基づくもので、論理的な根拠はありませんし、私自身、ずっと以前から不思議に思っていることです。
次回は、このVST化を実際にメタトレーダーのEAでプログラムする方法について紹介します。非常に簡単ですので、市販のEAで損切値が固定値になっているものを利用している方でも、次回の記事を読めば、EAのどの部分を改造すればよいか理解できるかと思いますので、ぜひ、お楽しみにどうぞ。
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by xchsshzo
| 2011-07-01 02:45
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