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こんなFXの日記

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システムトレーダーとして、日々研鑽を重ねていく…

オプティマイゼーション機能の功罪~PART2

3.最適化の果てにあるもの



前回の記事の続きです。


オプティマイゼーション機能の功罪~PART2_a0204254_23225926.gif



上の画像は、前回も紹介した、勝率100%の不死身のはずのシステムの損益曲線です。この後のフォワードテストの結果はどうなったでしょうか。それが下の画像です。


オプティマイゼーション機能の功罪~PART2_a0204254_22592984.jpg



赤丸の部分で、「バックテスト」から「フォワードテスト」へ切り替えました。みごとに期待を裏切られています。005.gif


もう少しわかりやすい例を挙げます。


オプティマイゼーション機能の功罪~PART2_a0204254_2344356.jpg



これも、赤丸の部分で、「バックテスト」から「フォワードテスト」へ切り替えました。


バックテストではきれいな右肩上がりの損益曲線を描いていますが、フォワードテストへ入ると同時に、このシステムはまったく機能していないことがよくわかります。


ただ、上に挙げた例はいずれもまだマシです。というのは、利益を出せなくなっただけで、それほど大きな損失を出しているわけではないからです。


次の例を見てください。


オプティマイゼーション機能の功罪~PART2_a0204254_23151452.jpg



やはり、赤丸の部分で、「バックテスト」から「フォワードテスト」へ切り替えました。仮に、ここでリアルトレードを開始していたら破産ものですね。007.gif



4.カーブフィッティング



言うまでもなく、これらの原因は、
カーブフィッティング(過剰最適化)です。


カーブフィッティングとは、システムを構築する際に、指標の計算期間や指値の幅などのパラメーターを、過去の一定期間においてのみ優れた成績が出るように最適化し過ぎてしまい、その結果、そのシステムが未来の相場において利益を出せなくなってしまうことを言います。ちょうど、若いころに自分の体型にピッタリ合わせてオーダーメイドしたスーツが、中年になって体型が変わってしまったために着れなくなってしまうようなものです。


とくに近年は、メタトレーダー、トレードステーション、トレードシグナルなど、高性能バックテスト用ソフトが普及し、過去の値動きにおける最適パラメーターが短時間で割り出せてしまうため、カーブフィッティングに陥ってしまうトレーダーが非常に多いと言われています。


メタトレーダーは、前回の記事で述べたように、GAを搭載したオプティマイゼーション機能により、一方で、そのシステムにふさわしいパラメーターを探し出してくれる反面、他方で、そのことがそのシステムをダメにしてしまう、というジレンマを生み出していると言えるでしょう。


それでは、このジレンマから一体どのようにして抜け出すことができるのでしょうか。つまり、最適化をしながらも、いかにしてカーブフィッティングに陥らないようにすることができるのか。このことこそが、我々システムトレーダーにとっては最大の関心事になってくるわけです。


次回は、そのへんについて、考えてみたいと思います。



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by xchsshzo | 2011-05-23 03:48 | 売買ロジック

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